在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.2.4~2021.2.24)

2021/02/26

2021 年の「中央一号文件」が公布

  • 2 月 21 日、中共中央と国務院が、本年の最重要政策課題を示す中央一号文件「農村振興の全面推進と農業農村の現代化を加速することに関する意見」を公布した。「三農」(農業、農民、農村)問題が一号文件となるのは 2004 年以降 18 年連続。
  • 貧困脱却目標が 2020 年に予定どおり達成されたことを受け、5 年間の過渡期を設けて貧困からの安定した移行と農村振興との連結を強調した。同時に、食糧供給能力の確保や種業の振興を通じた「農業現代化」(注 1)の推進、農村公共インフラの整備による「農村建設」(注 2)の実施を柱とした全 26 項目の取組を記載した。

(注 1)①食糧供給能力の確保(食糧生産量を 6.5 億トン、1.2 億ヘクタールの耕地レッドラインの死守、農産物輸入多元化戦略を実施等、②種業の振興(農作物、家畜、海洋漁業資源の遺伝資源バンクの建設、種業トップ企業による商業化育種の推進等)等を推進。

(注 2)農村地域の道路・通信・電力等公共インフラの整備、教育・医療・福祉等公共サービス水準の向上等を実施。

国家郷村振興局の設置へ

  • 15 日、中国共産党理論誌『求是』は、中共国家郷村振興局党組の署名文「人類の貧困削減の歴史上偉大な奇跡」(注 1)を掲載し、新たな部局の設置を明らかにした。
  • 中央電視台は 18 日以降、貧困脱却堅塁攻略戦をテーマにしたシリーズ番組「貧困脱却」(注 2)を放送した。その中で、同局の一部人事が明らかになった(注 3)(24 日時点で、国務院貧困扶助弁公室の公式サイトは正常どおりに運営されており、弁公室の指導者及び機構設置等は変更されていない)。

(注 1)署名文は、8 年間の持続的な闘争の末、目標としていた貧困撲滅の課題が予定通りに完了し、数千年にわたって中国国家を悩ませてきた絶対的貧困の問題が歴史的に解決されたと指摘している。

(注 2)中央電視台・国家郷村振興局が共同制作したもの。18-25 日に亘り、計 8 回のシリーズ番組を放送予定。

(注 3)番組の中では、劉永福・国務院貧困扶助弁公室主任が「元同弁公室主任」に、蘇国霞・国務院貧困扶助弁公室総合司司長が「国家郷村振興局総合司司長」にそれぞれ肩書が変更されている。

金融・産業関連等

デジタル人民元に係る試行実験の動向(北京・蘇州・成都での試行実験)

  • 6 日、北京市で初めて大規模なデジタル人民元の試行実験が開始され、デジタル人民元の「紅包」総額 1,000 万元、1 人当たり 200 元が、5 万人に配布された(使用期間は 10 日から 17 日まで)。工商銀行から現金とデジタル人民元を相互交換できる ATM が登場した他、郵蓄銀行からは健康宝付きカード型ウォレット等が一部高齢者に配布された。この他、ほぼ同時期に、蘇州で 2 回目の「紅包」配布も行われた(総額 3,000 万元、1 人当たり 200 元、15 万人に配布)。また、23 日、成都市で初めての「紅包」を用いた試行実験を開始することを公表(総額 4,000 万元、1 人当たり 178 元ないし 238 元、約 20 万人に配布予定)。

(注)「紅包」を使った実験は、深セン 3 回、蘇州 2 回、北京 1 回、成都 1 回の計 7 回となる。

SWIFT が人民銀行傘下の 4 機関と合弁会社を設立

  • 4 日、SWIFT(注)が、CIPS(銀行間のクロスボーダーの人民元決済システム)の運営主体を含む人民銀行傘下 4 機関との間で合弁会社を設立したことが明らかになった。範一飛・人民銀行副行長は、「ネットワークセキュリティとビジネスコンプライアンスを強化し、決済システムの末端セキュリティ戦略を実施し、現地化を進め、中国と世界全体の利益を擁護するため設立を決定した」とした上で、「国境を越えた金融インフラの構築における重要な成果であり、双方の協力と SWIFT 中国ビジネスを新たなレベルに押し上げるものであり、中国のサービス産業の拡大開放、開放型経済のビジネス環境の高度化の新たな進展を示すものである」と述べた。

(注)国際銀行間通信協会: 銀行間のクロスボーダー送金や決済に必要な情報をやりとりするネットワーク等を提供。

「プラットフォーム経済分野に関する独占禁止ガイドライン」が制定・公表

  • 7 日、国家市場監督管理総局は、「プラットフォーム経済分野の独占禁止ガイドライン」の制定版を公表した。インターネットプラットフォームの運営事業者や当該プラットフォーム上に出店してビジネスを行う者について、市場支配的地位の濫用やカルテル等の適用、企業結合審査等に関して独占禁止法上の考え方を述べたもの(注)。

(注)昨年 11 月にパブリックコメントの募集が行われ、若干の修正が施された。

東北地区人口減少問題の解決に対する対応方針が発表

  • 18 日、国家衛生健康委員会は、昨年の全人代で提出された「東北地区の人口減少問題の解決に関する提案」に対する返答(2020 年 8 月 26 日付)を HP に公開し、東北地区で出生制限政策(現在は原則 2 人まで)撤廃の試験的実施を検討する方針を示した。

(注)8 日、公安部は、2020 年に生まれ同年中に戸籍登録した新生児数を公表(1,003.5 万人、前年比▲15%)。なお、本数値は、国家統計局が例年発表する出生数とは異なることに留意が必要。

春節関連

  • 17 日、商務部は、春節期間中(2 月 11-17 日)、全国の重点小売・飲食企業の売上は前年比+28.7%、19 年比+4.9%の約 8,210 億元であったと発表した(注 1)。
  • 18、19 日の交通運輸部の発表によれば、同期間の交通機関(鉄道・車・船・飛行機)利用者数は延べ 9,841 万 6 千人(注 2)となり、前年比▲34.8%、19 年比▲76.8%となった。他方、国際貨物便の運航便数は 2,617 便となり、前年比+219.9%、19 年比+267.6%となった。
  • 18 日、国家映画局は 2 月 18 日零時時点で、同期間中の映画興行収入が 78 億元 2,200

万元に達し、過去最高を更新したことを発表した。

(注 1)小売企業は、アクセサリー関連が+160.8%(20 年比)、アパレルが+107.1%となった。また、飲食業は上海の飲食企業の売上高が+79%(20 年比)となった他、出前サービスも好調だった。

(注 2)内訳:鉄道 2,405.7 万人(19 年比▲60.2%、20 年比+3.6%)、車 6,785 万人(19 年比▲79.9%、20 年比+43.2

%)、船 293.5 万人(19 年比▲76.8%、20 年比+63.2%)、飛行機 357.4 万人(19 年比▲71.7%、20 年比+45.5%)。

第 1 回中国 EU 環境・気候ハイレベル対話を開催

  • 1 日、第 1 回中国 EU 環境・気候ハイレベル対話が開催された(注)。韓正・国務院副総理は、中国 EU 環境・気候実務協力を深化させていくこと、昆明で開催される「生物多様性条約」第 15 回締約国会合(COP15)に向け、双方が手を携えていくこと等を指摘した。ティマーマンス・EU 委員会第一副委員長は、EU・中国は環境・気候分野の対話協力を拡大・深化していく、中国の COP15 を適切に開催することを支持する等と述べた。

(注)オンライン形式。20 年 9 月に、中国・ドイツ・EU の指導者のオンライン会談で設立を決定。

日中高級事務レベル海洋協議が開催

  • 3 日、第 12 回日中高級事務レベル海洋協議(注)が開催された。双方は、1 月 20 日の団長間協議に続き、全体会議のほか①海上法執行及び海上安全 ②海上防衛 ③海洋経済の3 つのワーキンググループに分かれて会議を行い、東シナ海等に関する様々な問題について意見交換を行い、海洋分野における協力の在り方や懸念について議論を行った。

(注)オンライン形式。同協議には、日本側から、外務省の他、国家安全保障局、水産庁、資源エネルギー庁、海上保安庁、環境省及び防衛省が、また、中国側から、外交部の他、中央外事工作委員会弁公室、国防部、自然資源部、生態環境部、交通運輸部、農業農村部、国家能源局、中国海警局等が参加した。

各種統計の公表

在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.2.4~2021.2.24)插图ヨシダ第三社検品会社 HQTS

在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.2.4~2021.2.24)插图1ヨシダ第三社検品会社 HQTS

在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.2.4~2021.2.24)插图2ヨシダ第三社検品会社 HQTS

在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.2.4~2021.2.24)插图3ヨシダ第三社検品会社 HQTS

日本関連記事

概況・マクロ経済政策

□韓正・国務院副総理は 3 日、国家市場監督管理総局で「国務院食品安全委員会第 3 回全体会議」を主宰し、食品安全向けの監督管理能力を更に向上させるよう指示した。(2/5 人民日報 p1)

□国務院共同対策メカニズム・春節交通対策特別チームによると、春節連休だった 2 月 11-17 日の交通機関利用者数(鉄道、水路、道路、航空)は延べ 9,841 万 6,000 人となり、2019 年、2020 年の同期と比べてそれぞれ 76.8%、34.8%減少した。(2/19 経済日報 p3)

□国家統計局が 10 日発表した 1 月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比 0.3%下落したものの、前月比 1%上昇した。同期の生産者物価指数(PPI)は 12 ヵ月ぶりにプラスに転じ、前年同期および前月比でそれぞれ 0.3%と 1%上昇した。(2/10 国家統計局、2/14 経済日報 p1)

□2 月 18 日、中国国内における新型コロナウイルスの感染症リスク分類で「高リスク」とされる地域がゼロになった。(2/19 経済日報 p3)

財政

□財政部、税関総署、国家税務総局はこのほど、海南省の離島免税ショッピング政策の対象商品について、郵送で別送することを認める方針を発表した。(2/3 経済日報 p3)

□財政部、工業信息化部は 3 日、「小巨人」企業と呼ばれる専門化・精細化・特色化・斬新化の特徴

を備えた優良中小企業を更に支援するため、今後 5 年間で重点「小巨人」企業 1,000 社以上に補助金 100 億元以上を調達する方針を明らかにした。(2/4 経済日報 p3)

金融・為替

□中国人民銀行は 4 日、テレビ電話会議において、預金市場の秩序ある競争を維持するために預金基準金利を長期的に保留する必要があるとの方針を示し、預金管理を更に強化することについて手配を行った。(2/5 人民日報 p11)

□中国人民銀行は 7 日、1 月末の外貨準備高が 3 兆 2,107 億ドルで、前月末から 59 億ドル(0.2%) 減少したと発表した。(2/8 経済日報 p3)

□中国人民銀行が 9 日発表した金融統計によると、社会全体の新規融資額が 1 月は 5 兆 1,700 億元で、前年同期比 1,207 億元増加した。また、全国の金融機関による 1 月の人民元建て貸付増加額は3 兆 5,800 億元で、前年同期の増加額を 2,252 億元上回った。(2/10 人民日報 p3)

□中国銀聯によると、旧正月連休期間のうち、2 月 11-17 日までの銀聯オンライン取引額が前年同期比 4.8%増の 1 兆 3,800 億元となり、過去最高を更新した。(2/19 経済日報 p3)

□中国人民銀行が 20 日発表した貸出基礎金利(LPR)データによると、1 年物は 3.85%、5 年物以上は 4.65%に据え置いた。据え置きは 10 か月連続となっている。(2/21 経済日報 p3)

□デジタル人民元の「紅包」(お年玉)200 元を 5 万人分配布するイベントが北京市東城区人民政府の主催で行われた。当選した抽選者には 10 日、デジタル人民元 APP 口座に、指定のオンライン・オフライン店舗で 17 日まで使用可能な紅包が振り込まれた。(2/7 北京晩報 p1)

□国際銀行間通信協会(SWIFT)は、中国人民銀行(中央銀行)のデジタル通貨研究所と清算機関と共同で合弁事業を設立した。(2/7 経済参考網)

□人民銀行が 1 月 29 日に発表した 2020 年金融機関貸付投入先統計報告によると、2020 年末のグリーンファイナンス貸付残高は 20.3%増の 11 兆 9,500 億元であった。貸付の用途別にみるとインフラのグリーンアップグレードが 21.3%増の 5 兆 7,600 億元、クリーンエネルギー産業が 13.4%増の3 兆 2,000 億元等。(1/29 人民銀行)

□2 月 9 日、人民銀行は、今後二酸化炭素のピークアウトとカーボンニュートラルの目標等重大戦略に焦点を絞り、金融がグリーン低炭素型への転換を支えるトップダウン設計の整備、金融機関による炭素計算、気候変動に関する金融リスク防止、地方の金融改革実験、国際協力の深化等の任務に取り組む方針を示した。(2/9 人民銀行)

貿易・海外直接投資

□商務部自由貿易区・港司の唐文宏司長は 3 日、自由貿易試験区は対外貿易・外資導入で重要な役

割を果たしていると述べた。2020 年は自由貿易試験区上位 18 区で企業 39 万 3,000 社が新設され、実行ベース外資導入額は全体の 17.6%を占める 1,763 億 8,000 万元、輸出入総額は全体の 14.7%を占める 4 兆 7,000 億元となった。(2/4 経済日報 p1)

□商務部は 4 日、2020 年のサービス貿易額が前年比 15.7%減の 4 兆 5,642 億 7,000 万元だったと発表した。うち、輸出は 1.1%減の 1 兆 9,356 億 7,000 万元、輸入は 24%減の 2 兆 6,286 億元。収支は 6,929 億 3,000 万元の赤字で、赤字額は前年比 53.9%縮小した。(2/5 人民日報 p2)

□高峰・商務部報道官は 4 日、定期記者会見で、「中国は現在、CPTPP 加盟の関連事項について積極的に検討しており、CPTTP 各メンバー国と関連問題について技術的な意思疎通と交流を強化していきたい」と表明した。(2/5 国際商報 p1)

□EU 統計局が 15 日発表した 2020 年度貿易データによると、EU の対中輸出は前年比 2.2%増の 2,025 億ユーロ、中国からの輸入は同 5.6%増の 3,835 億ユーロとなった。中国は、初めて米国を抜いて EU の最大の貿易相手国となった。(2/18 国際商報 p2)

□世界貿易機関が次期事務局長にナイジェリアのオコンジョイウェアラ氏を選出したことを受け、商務部は 15 日、同氏の就任を歓迎し、同氏の就任により、WTO が機能を回復し、感染症対策協力、世界経済の回復、WTO の必要な改革を促進する上でより大きな役割を果たすことを期待していると表明した。(2/18 国際商報 p1)

■中国海関総署がこのほど発表したデータによると、2020 年の中日貿易総額は前年比 0.8%増の3,175 億 3,800 万米ドルであった。うち、中国の日本からの輸入は前年比 1.8%増の 1,748 億 7,400 万米ドルであった。(2/9 人民日報 p)

□商務部は 10 日、1 月の金融分野を除く対中直接投資は前年同月比 4.6%増の 916 億 1,000 万元(米ドル換算で 6.2%増の 134 億 7,000 万ドル)であったと発表した。(2/10 商務部)

□商務部は 4 日、12 月のサービス輸出が前年同期比 6.9%増で伸び率は年内で最大となったと発表した。また通年のサービス輸出入の貿易赤字が 53.9%減少の 6,929 億元となったことを指摘した。(2/4 商務部)

産業・企業(国有企業を含む)

□中国国家鉄道グループ有限公司によると、1 月の鉄道貨物運送取扱量は 3 億 2,400 万トンで、前年同期比 11.8%(3,410 万トン)増加し、史上最高値を更新した。(2/4 経済日報 p3)

□商務部は 17 日、春節期間中(2 月 11-17 日)、全国の重点小売・飲食企業の売上は前年比 28.7%増、2019 年比 4.9%増の約 8,210 億元であったと発表した。 (2/17 商務部)

□関連データによると、中国の新車生産・販売台数が 1 月は前年同期比でそれぞれ 34.6%と 29.5% 増の 238 万 8,000 台と 250 万 3,000 台だった。(2/18 国際商報 p1)

□国家郵政局は 17 日、春節連休期間(2 月 11-17 日)の宅配便取扱件数が 6 億 6,000 万件に達し、前年同期比で 260%増加したと発表した。(2/19 人民日報 p2)

□関連データによると、2 月 18 日零時時点で、春節連休の映画興行収入は 78 億元 2,200 万元に達し、過去最高を更新した。(2/19 国際商報 p1)

□中国非鉄金属工業協会はこのほど、10 種類の非鉄金属の生産量が 2020 年は初めて 6,000 万トンの大台を突破し、前年比 5.5%増の 6,168 万トンに達したことを明らかにしたほか、2021 年同業界は引き続き安定した成長を維持し、生産量の伸び幅は約 3%となるとの見込みを示した。また、賈明星・同協会副会長兼事務局長は、工業情報化部がこのほど意見募集稿を発表した「レアアース管理条例」の実施により、密輸や闇生産などへの取締が強化されるとともに、レアアース生産、管理、経営の秩序が保障され、レアアース市場の規範化管理が更に向上するとの考え方を示した。(2/19 経済日報 p11)

□国家市場監督管理総局は 7 日、「プラットフォーム経済分野に関する独占禁止ガイドライン」を公表した。同ガイドラインは関連市場の確定について、「独占禁止法」により確定された一般原則を遵守するとともに、プラットフォーム経済の特徴を考慮し案件ごと個別に分析することを強調している。(2/7 国家市場監督管理総局)

□8 日、連雲港と徐州を結ぶ高速鉄道 G8308 が運行を開始した。これにより連雲港からウルムチまで3 つの時間帯をまたぐ 3,422 ㎞の陸送ルートが完成した。(2/17 新華網)

□国家工業信息安全発展研究中心はこのほど、「2020-2021 年度デジタル経済情勢分析」を発表し、中国のデジタル経済の発展について 5G 建設、都市データの開発と利用、製造業のデジタル化などにおいて際立った成果がみられるほか、2020 年国連電子政府調査報告の中国の EGDI 指数は 2018 年から 20 位上昇し史上最高の世界 45 位となったこと等を指摘した。(2/4 人民日報海外版 p4)

農業・農村

□データによると、農村地域の宅配便取扱件数が 2020 年は 300 億件に達し、農産物と工業製品の取扱金額が1兆 5,000 億元を超えた。(2/3 人民日報 p18)

□唐仁健・農業農村部部長はこのほど、全国春季農地管理・田植準備会議で、各地の農業部門に対し、2021 年の食糧年産を 6.5 億トン以上で安定させるよう求めた。(2/5 経済日報 p8)

□農業農村部は 4 日、2005 年より施行されている「農村土地請負経営権流転管理弁法」を修正した「農村土地経営権流転管理弁法」を発表した。新法では三権(集団所有権、農家請負権、土地経営権) の分置、企業等社会資本が土地経営権の移転により土地経営権を得るための審査・批准の具体的規定を明記し監督管理を強化すること、耕地保護と食糧安全保障に関する内容が補充された。3 月 1 日より施行される。(1/26、2/3 農業農村部)

□新華社は 21 日、三農問題をめぐる取組について指針を示す「中央 1 号文書」を発表した。同文書は新たな発展段階における農村・農業を優先的に発展させ、農村振興策の全面的推進に向けた戦略配置を明確に示している。(2/22 国際商報 p1)

□雑誌「求是」2 月 16 日号は、中国共産党国家郷村振興局党組の署名文「人類の貧困削減の歴史に大きな奇跡」を掲載した。21 世紀経済報道によると、中国の貧困脱却目標の完成に伴い、郷村振興戦略の全面実施が課題となる中で、国務院貧困扶助弁公室の後継組織である国家郷村振興局の三定方案(三定とは部門職責、内部機構、人員編制)が現在準備中であり、新局は国務院直属の局となる可能性があり、2 月末に正式に発足する見込み。(2/20、21 世紀経済報道)

労働・社会保障

□応急管理部はこのほど、1 月の各種自然災害の被災者数は延べ 166 万 9,000 人で、過去 5 年間の同月の平均値を 59%下回ったことを明らかにした。また、低温・冷凍と雪害による農産物の被災面積、直接的経済損失は過去 5 年間の平均値を 76%、61%下回った。(2/3 人民日報 p14)

□国務院はこのほど、「中国医学・漢方薬の特色ある発展の加速に関する若干の政策措置」を発表し、漢方薬と西洋医薬の相互補完を推進し、中国医学・漢方薬の専門人材の育成を更に強化する方針を示した。(2/10 人民日報 p3)

□国家薬品監督管理局がこのほど発表した「2020 年度医療機器製品登録申請報告」によると、2020 年、同局は前年比 15.6%増の 1 万 579 件の登録申請を受理した。うち、境内第三類医療機器製品4,220 件、輸入第三類医療機器製品 6,359 件だった。(2/18 人民日報 p12)

□国家衛生健康委員会は 18 日、全人代第 3 回会議における代表の提案「東北地区の人口減少の解決

に関する提案」に対する 2020 年 8 月 26 日付の返答を HP に公開し、東北地区において産児政権の撤廃を試験的に実施することを検討する方針を示した。(2/18 国家衛生健康委員会)

□人力資源社会保障部と工業信息化部は 3 日、スマート製造、ビッグデータ、ブロックチェーンの3 分野について、それぞれエンジニアリング技術者の職業技能技術国家標準を策定した。(2/22 人力資源社会保障部 HP)

環境・エネルギー

□中国電力企業連合会が 2 日に発表した「2020-2021 年度全国電力供給需要情勢分析予測報告」によると、2020 年の中国の電力使用量は前年比 3.1%増の 7 兆 5,100 億キロワット時だった。(2/3 人民日報 p11)

□国家林業・草原局によると、第 13 次五ヵ年計画期間中における中国の湿地保護および整備能力は全面的に向上し、同期間中、中国の湿地面積は 20 万 2,600 ヘクタール拡大し、湿地保護率は 50%以上に達した。(2/3 人民日報 p1)

□自然資源部・中国地質調査局はこのほど、松遼盆地陸上シェールオイル・ガス調査に重要な進展があり、同エリアのシェールオイル地質資源量は 75 億トン、シェールガス地質資源量は 5,000 億立方メートル以上となっていることを明らかにした。(2/3 人民日報 p12)

□中国の洋上石油・ガス生産大手の中国海洋石油集団(CNOOC)によると、中国の 2020 年海洋石油・天然ガス生産量は石油換算で 6,500 万トンを超え、過去最高となった。(2/5 経済日報 p11)

□国家発展改革委員会は 18 日、2 月 19 日からガソリンとディーゼルオイルの価格をトン当たりそれぞれ 275 元と 265 元引き上げると発表した。石油製品の値上げが今回は今年に入って 3 回目。(2/19 経済日報 p3)

□中国西蔵自治区と外交部は 2 日、環ヒマラヤ国際協力フォーラム生態環境保護テーマオンラインシンポジウムを共催し、中国内外の代表と専門家が高原山地の生態環境保護や気候変動分野における国際協力の推進、低炭素で持続可能な発展等の議題について交流を行った。(2/9 人民日報海外版p2)

□外交部報道官は 3 日、米国アジア協会の調査報告において 56%の米国調査対象者が気候変動問題において中国と協力することを希望しているとの結果について、中米は気候変動分野で広範な共通利益と協力の空間を有しており、かつて「パリ協定」の成立・署名・発効を推進するために建設的な役割を果たしたと指摘し、米国の「パリ協定」復帰を歓迎し、各方面と共にパンデミック後のグリーン復興を推し進めることを望むと述べた。(2/3 外交部 HP)

科学技術・イノベーション

□中国国家宇宙局によると、10 日、中国初の火星探査機「天問 1 号」が火星に接近して減速を行い、火星周回軌道に入ることに成功し、中国初の火星人工衛星となった。(2/11 人民日報p4)

□中国科学院量子情報重点実験室の成果展開プラットフォームである合肥本源量子計算科学有限公司は、中国初となる国産の量子コンピューターOS「本源司南」を発表した。同 OS は現有の量子コンピューターの稼働効率を数倍に引き上げるという。(2/18 人民日報 p11)

□中国の民間宇宙企業「星際栄耀」(i-spce)が開発した商業ロケット「双曲線 1 号」(Hyperbola-1)の第 2 号機は、2 月 1 日に酒泉衛星発射センターから打ち上げられたが、ロケットの異常により打上は失敗した。(2/2 新華社等)

主要国との経済関係

□韓正・国務院副総理は 1 日、オンラインで欧州連合のティメルマン・欧州委員会第1副委員長と第 1 回中国・EU 環境・気候ハイレベル対話を行った。韓副総理は、昆明で開催される予定の生物多様性条約締結国会議において中国と EU は連携して積極的な成果を獲得できるよう努力することを希望すると述べた。(2/3 人民日報 p1)

□劉鶴・国務院副総理は 9 日、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事とビデオ会談を行った。双方は、マクロ経済、貿易、気候変動関連融資、低所得国の発展支援などについて踏み込んだ意見交換を行った。(2/10 人民日報 p2)

□王毅・外交部長は 17 日、北京で国連安全保障理事会新型コロナワクチン問題閣僚級公開会議(ビデオ形式)に出席し、以下 4 点の建議を行った。

①人民を第一とすることを堅持し、感染症との戦いにおける国際協力を強化する、

②安全保障理事会の決議を全面的に実行し、感染症との戦いに有利な環境を作り出す、

③ワクチン赤字を解決し、発展途上国に対する援助を拡大する、

④統一的な計画と協力を強化し、国連システムの役割を十分に発揮させる。(2/17 新華網)

□中国の王毅国務委員兼外相は 22 日、米中関係に関するフォーラムであいさつし、米国が中国製品に対する不合理な追加関税、中国企業と科学研究教育機関に対する各種一方的な制裁、中国科学技術の進歩に対し不条理に圧力をかけることを放棄することを求めるとともに、中国側は、新型コロナウイルスとの戦い、気候変動対策、世界経済回復の推進という国際社会が目下直面する三大重要課題に対し、米国とともに政策の協調をはかり、協力を強化し手を携えて世界に貢献することを望むと述べた。(2/22 外交部)

■第 12 回日中高級事務レベル海洋協議が 3 日、オンラインで開催された。双方は、「海上防衛」、「海上法施行および海上安全」、「海洋経済」の 3 つのテーマについて意見交換を行った。うち、海洋経済について、双方は、海洋環境保護や違法操業の取締、ウナギ資源管理の推進、北太平洋漁業資源の保全などの協力を強化することで一致を見た。(2/5 人民日報 p3)

□国連世界観光機関(UNWTO)とスペイン政府はこのほど、1 月 25 日より中国語が正式に UNWTO の公式言語になったと発表した。中国は 2007 年に UNWTO 全体大会第 17 回会議において中国語を公式言語の一つとすることを提案していた。(2/20 文化旅行部)

□21 日、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の提唱による「アジア太平洋越境ペーパーレス貿易利便化枠組協定」が発効した。商務部は、同協定について中国の高いレベルでの対外開放を実行し、協力ウィンウィンの新たな局面を開拓する新しい成果であり、中国の良好なビジネス環境と貿易利便化政策の優越性を発揮させるものであると指摘し、同協定をプラットフォームとして、各国とともに越境ペーパーレス貿易の分野における協力を強化していくと述べた。(2/21 商務部)