在中国日本国大使館経済部  中国経済週報(2020.12.24~2021.1.6)

2021/01/08

産業・金融関連

  • 12 月 28 日、発改委・商務部は連名で「外商投資奨励産業リスト(2020 年版)」を公表した(21 年 1 月 27 日から適用)。リストの対象分野に投資する外資企業には、以下のような優遇政策が適用される。

(1)総投資額の範囲内で輸入する自社向け設備の関税免除。

(2)西部地区の奨励類産業に投資した場合、企業所得税率を低減(15%)。

  • 掲載された投資項目は合計 1,235 項目(19 年版比 127 項目増)となった (注)。この他、リストは外資による生産サービス事業への投資も奨励。5G 移動通信システム、ブロックチェーンの研究開発、汚水処理施設の設計等の項目を追加・修正している。

(注)(1)全国投資奨励産業リスト:480 項目(65 項目増、51 項目修正)。①原材料関連:フッ化水素、特殊ガラス繊維、高性能繊維等を追加・修正。②部品関連:高圧真空部品、特殊ベアリング、特殊ガラス等を追加・修正。(2)中西部地区外資投資優勢産業リスト:755 項目(127 項目増、37 項目修正)。①農産品加工、観光開発等が追加(黒竜江、雲南)。②医療機器、防疫用品等が追加(河南、陝西、広西チワン族自治区)。③半導体等が追加(湖北、四川、重慶)。

  • 12 月 30 日、国家市場監督管理総局は、アリババグループ傘下の EC サイト運営会社

「天猫」や、「京東」等に対し、不当な価格表示等(価格法違反)を理由として、50 万元の制裁金を課す処分を行ったことを公表した。

(参考)国家市場監督管理総局は、12 月 14 日にアリババやテンセント等のグループ企業 3 社に対し、独禁法違反を理由にそれぞれ 50 万元の制裁金を課す処分を行ったばかり。

  • 12 月 26 日、人民銀行等金融関係当局は、アリババグループ傘下の金融会社アントグループに対して行政指導を行い、以下を要求したことを明らかにした。

(1)本来の決済サービスに回帰し、取引の透明性を向上させ、不正な競争を厳に慎む。(2)金融持株会社を法に基づき設立し、厳格に監督管理上の要求を実施する。

(3)コーポレートガバナンスを向上させ、規則に反した貸付、保険、資産運用等の金融活動を見直す。

  • 12 月 22 日、交通運輸部は「中国の交通の持続可能な発展」と題する白書を発表し、第 18 回全国代表大会以降の交通発展の成果を紹介するとともに、「人民が満足する交通」等新時代の中国交通発展の理念を示した。同日、劉小明・交通運輸部副部長は記者会見で、「2019 年末までに中国の高速鉄道営業総延長は 3.5 万キロ、高速道路の総延長は 15 万キロとなり、何れも世界一になった」と発表した(注 1)。
  • 12 月 27 日、北京と雄安新区を結ぶ都市間高速鉄道「京雄線」が全線開通した(注 2)。同線は最高時速 350 キロ、北京西駅-雄安駅間の全長 91 キロを最速 50 分で結ぶ他、大興空港駅-雄安駅間、全長 59 キロを最速 19 分で結ぶ。

(注 1)高速鉄道の営業総距離については、2021 年年初に、2020 年末時点の数値(3.79 万キロ)を発表済。

(注 2)北京西駅-大興空港駅間は 2019 年 9 月 26 日に開通済。今回開通したのは大興空港駅-雄安駅間。

  • 1 月 5 日、生態環境部は全国排出権取引制度の管理政策に関する記者ブリーフィングを行い、「排出権取引管理規則(試行)(2 月 1 日施行)」、「割当分配計画(発電事業)」等の関係状況を説明した。
  • 本制度の開始当初の対象事業は年間の温室効果ガス排出量が 2 万 6 千 t/CO2(約 1 万t/標準炭)以上の発電事業(注 1)とされ、第一履行期間は 2021 年 1 月 1 日から正式に開始する、排出権の登記及び取引システムは今後早急に建設するとされた(注 2)。対象事業範囲も今後徐々に拡大する模様(注 3)。

(注 1)11 月 20 日に生態環境部がパブリックコメントで公表した「2019~2020 年 全国割当分配計画(発電事業)」においては発電所や工場内の自家発電施設を含め中国全土で 2267 事業所が対象とされている。

(注 2)中国では、2013 年から 2 省 5 市の地域における排出権取引のパイロット事業が実施されている。

(注 3)発電事業以外の他の 7 業種(石油化学、化学、建材、鉄鋼、非鉄金属、製紙、航空)に拡大される見込み。

3コロナ関連

国家薬品監督管理局が新型コロナワクチンを条件付で承認

  • 12 月 31 日、国家薬品監督管理局は、新型コロナウイルス感染症の不活化ワクチンの条件付販売を、30 日付で承認したと発表した。中国当局が新型コロナワクチンを承認するのは初めて(注)。

(注)同ワクチンは、製薬大手中国医薬集団(シノファーム)傘下の北京生物製品研究所が開発したものであり、複数の国で大規模な第三相臨床試験を実施済(接種者は 6 万人以上、サンプルの国籍は 125 以上)。12 月 9、13 日にアラブ首長国連邦とバーレーンが、WHO の関連技術基準に基づく販売登記を正式に批准していた。

  • 12 月 27 日、民用航空局は、英国で新型コロナウイルスの変異種拡大を受け、英中間の定期旅客便を 28 日から 2021 年 1 月 10 日まで停止すると発表した。

4対外経済関係

  • 12 月 30 日、中国・EU の首脳らはテレビ会談を行い(注 1)、期日どおり中国・EU 投資協定交渉が妥結したと共同で発表した。
  • 商務部条約法律司によると、同協定の概要は以下のとおり。

(1)中国 EU 投資協定の内容は、①市場参入の約束、②公平な競争のルール、③持続可能な発展、④紛争解決を包括し、全てのルールが双方向で適用される。

(2)市場参入については、参入前内国民待遇+ネガティブリストの方式を採用する(注 2)。(3)公平な競争のルールについては、双方は国有企業、補助の透明性、技術移転、行政法執行、金融監督管理等、企業運営に密接に関係する議題について共通認識に達した。(4)中国側は金融分野等で自主開放的な措置を組み入れ、自身の発展の必要に応じ、病院事業・自動車産業等一部のサービス業・製造業の開放を秩序よく拡大する。

(注 1)習近平・国家主席、メルケル・独首相、マクロン・仏大統領、ミシェル・欧州理事会議長、ライエン・EU 委員長が出席。

(注 2)中国は、全ての業種(サービス業・非サービス業含む)に関するネガティブリスト方式を初めて約束した。

  • 12 月 31 日、NY 証券取引所は、中国軍関連企業への投資を禁じる 11 月 12 日付の大統領令を受けた措置として、中国電信等中国通信 3 社の上場を廃止する旨告知していたが、突如 2021 年 1 月 5 日に、「関連規制当局と更に協議し」た結果、「上場廃止手続を進める意向はもはやない」と表明した。同日の記者会見で外交部報道官は「米国側が市場と法治を尊重し、グローバルな金融市場秩序を維持し、投資家の合法的権益を保護し、グローバル経済の安定的発展に役立つことを多くすることを希望する」等と述べた。
  • さらに 1 月 6 日、NY 証券取引所は、前日 5 日に米財務省から、上記の中国通信 3 社は明示的に大統領令の対象であるとするガイダンスを受け取ったことを受け、11 日に 3 社の上場廃止をすることを発表した。
  • 1 月 6 日、トランプ・米大統領は大統領令に署名し、支付宝(Alipay)、微信支付(Wechat pay)など、8 つの中国系ソフトウェア開発企業との取引を禁止すると発表した(注)。これを受けて、同日、中国外交部報道官は「中国側は引き続き、必要な措置を講じて中国企業の正当かつ合法的な権益を保護する」と述べた。

(注)理由を、米国民のプライバシー及びデータセキュリティを脅かす恐れがあるからとしている。

5各種統計の公表

12 月製造業 PMI(NBS)~前月比 0.2 ポイント減(12 月 31 日 国家統計局発表)

在中国日本国大使館経済部  中国経済週報(2020.12.24~2021.1.6)插图ヨシダ第三社検品会社 HQTS

12 月製造業 PMI(財新)~前月比 1.9 ポイント減(1 月 4 日 財新発表)

在中国日本国大使館経済部  中国経済週報(2020.12.24~2021.1.6)插图1ヨシダ第三社検品会社 HQTS

11月直接投資~対外直接投資額は前年同月比4.6%増(12月31日商務部発表)

在中国日本国大使館経済部  中国経済週報(2020.12.24~2021.1.6)插图2ヨシダ第三社検品会社 HQTS

日本関連記事

1.概況・マクロ経済政策

□12 月 30 日、習近平・総書記は中央全面深化改革委員会会議を主宰した。会議では第 18 期 3 中全会以降の改革の全面的深化に関する総括・評価報告を審議した他、習総書記が重要講話を行った。会議は、グリーン、低炭素、循環を旨とする経済発展体系を確立・健全化し、経済・社会発展の全面的なグリーンへのモデル転換を促進することが中国の資源環境・生態問題を解決する上での基礎となる政策であるとしたほか、グリーンな計画・設計・投資・建設・生産・流通・生活・消費を推し進め、資源の高効率な活用、生態環境の厳格な保護、温室効果ガスの排出の効果的な抑制、さらに高い質の発展と高水準の保護を統一的に推進しなければならないと強調した。(法に基づく企業の環境管理制度の形成、行政データ共有の円滑化、予算制度改革の深化、北京を国家金融管理の中心とした金融裁判所の設立等)。(12/31 人民日報p1)

□12 月 23 日、李克強・国務院総理は、国務院第 14 次五カ年計画の網要制定に向けた草案編成作業指導グループ会議を開き、安定した成長を積み重ね、改革開放を更に深化していくとともに、実践と歴史の検証に耐え得るような計画を策定するよう求めた。(12/25 人民日報p1)

□12 月 30 日、李克強・国務院総理は国務院常務会議を主宰した。会議は、出稼ぎ労働者の賃金支払い分支払い保障に関する状況の報告を聴取し、措置の実施を強化し、出稼ぎ労働者が期限通り満額報酬を得られることを確保するよう要求した他、春運(旧正月期間の輸送)における感染症の予防・抑制工作を適切にしっかり行うことについて任務配分を行った。この他、国有資産の監督・管理を強化・改善するため、行政事業性国有資産管理条例(草案)を採択した。(12/30 中央政府 HP)

□1 月 4 日、李克強・国務院総理は国務院常務会議を主宰した。会議は、「ビジネス環境最適化条例」の実施状況に対する第三者評価に関する報告を聴取し、実施に当たっての障害となる箇所をいっそう取り除き、ビジネス環境の法治化水準を引き上げるよう要求した。この他、「中華人民共和国印紙税法(草案)」「食糧流通管理条例(改正草案)」を採択した。(1/4 中央政府 HP)

□12 月 24 日、国務院弁公庁は、「大衆創業・万衆創新(大衆の起業、万人の革新)モデル基地(第3 弾)の建設に関する通知」を発表し、全国 92 か所を選んでモデル基地を設置する方針を示した。

(12/25 人民日報p4)

□12 月 26 日、第 13 期全人代常務委員会第 24 回会議は、第 13 期全人代第 4 回会議を 2021 年 3 月 5 日から北京で開催することを決定した。同日、商務部長と農業農村部部長の人事を可決した(商務部長は鍾山氏から王文涛氏に、農業農村部部長は韓長賦氏から唐仁健氏に変更)。(12/27 人民日報p1)

2.金融・為替

□12 月 31 日、中国人民銀行、国家発展改革委員会等 6 政府機関は共同で、クロスボーダー人民元取引の利便性を向上する「対外貿易・外資の安定化を支援するためのクロスボーダー人民元政策のさらなる最適化に関する通達」を発出した。2021 年 2 月 4 日から実施される。(1/4 人民銀行 HP)

□12 月 25 日、中国銀行保険監督管理委員会は、「商業銀行の財テク子会社の金融商品販売に関する管理暫定弁法(パブリックコメント)」を発表し、投資者の合法的な権益を守り、金融商品の販売を更に規範化する方針を発表した。(12/26 経済日報p3)

□12 月 26 日、中国人民銀行、中国銀行保険監督管理委員会、中国証券監督管理委員会、国家外貨管理局は、アリババグループ傘下の金融会社「アントグループ」に対して行政指導を行った。潘功勝・中国人民銀行副総裁は、行政指導の方針について、「独占禁止と資本の無秩序な拡張を防止する一方で、法律に沿った企業業務の革新を支持する」と説明した。(12/28 経済日報p4)

□12 月 31 日、中国人民銀行と中国銀行保険監督管理委員会は、商業銀行や政策性金融機関などに対し、融資全体に占める不動産向け融資、個人向け住宅ローンの比重に上限を設けることを掲げた「銀行業金融機関の不動産融資集中度の管理制度制定に関する通知」を発表した。2021 年 1 月 1 日から施行する。(12/31 中国人民銀行 HP)

□12 月 22 日、国務院は「国務院の動産と権利担保の統一登記実施に関する決定」を発表し、1 月 1 日より、人民銀行が動産と権利担保の統一登記任務を担当することを明確にした。同決定によると、動産と権利担保の登記と照会の手続きを行う市場主体は、インターネット上の人民銀行信用調査センターの動産融資統一登記公示システムにおいて自ら手続きを行い、登記内容の真実性・完全性・合法性について当事者が責任を負い、登記機関はその内容について実質的な審査を行わず、事前審査と批准を伴う登記は展開しない。(12/31 中国人民銀行)

3.貿易・海外直接投資

□12 月 29 日、財政部など中央 3 部門は海南省の海南自由貿易港に輸入する車両や船舶、航空機などの交通・輸送設備にゼロ関税を適用すると発表し、対象品目のリストを公布した。 対象は 100 品目で、内訳はガソリン車、ディーゼル車、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)など車両関連が 63 品目、遊覧船やコンテナ船など船舶関連が 28 品目、気球や飛行機など航空機関連が 9 品目

(12 月 29 日財政部 HP)

□12 月 23 日、国務院関税税則委員会は、2021 年 1 月 1 日から一部品目の輸入関税率を調整すると発表した。具体的には、883 品目の輸入品に現行の最恵国税率よりも低い暫定税率を適用する。883 品目のうち、患者の経済的負担を軽減し、国民の生活の質を改善するために、抗がん剤および希少疾病用医薬品の原料、特殊病児用食品などについてゼロ関税を実施する他、人工心臓弁膜、補聴器についてはそれぞれ 4%から 1%に、粉ミルク原料である乳清タンパク質・ラクトフェリンについては 10%から 5%に引き下げる。(12/24 経済日報p1 他)

4.産業・企業(国有企業を含む)

□12 月 28 日、国家発展改革委員会と商務部は、「外資投資奨励産業リスト」の 2020 年版を発表した。リストに掲載された投資分野は合計 1,235 項目で、19 年版に比べ 127 項目増加した。産業サプライチェーン(調達・供給網)の補完を重視し、集積回路テスト設備や自動運転に関するハードウエアといった分野を修正、追加した。(12/28 国家発展改革委員会 HP)

□12 月 31 日、財政部、工業信息科部、科学技術部、国家発展改革委員会は、新エネルギー車(NEV) に対する 2021 年版の補助金政策を発表した。補助金の基本給付額は、20 年版から 20%削減する。電気自動車(EV)の乗用車の場合、航続距離が 300 キロメートル以上であることなどが給付条件とされており、1台当たりの基本給付額は同 300 キロ以上 400 キロ未満は1.3 万元、400 キロ以上は1.8 万元となる。補助金支給前の販売価格が 30 万元以下の車両のみが対象となる。(12/31 財政部HP)

□12 月 27 日、北京と雄安新区を結ぶ都市間高速鉄道「京雄線」が全線開通した。同線は北京西駅と雄安駅を結び、全長 91 キロ、所要時間が 50 分。(12/28 人民日報p1)

□12 月 22 日、国務院は中国の交通の現状や持続可能な発展の展望をまとめる交通白書を発表し、2035 年までに「交通強国」の近代化総合交通体制を整える目標を掲げ、都市部と農村地域につながる交通網を拡大させる方針を示した。また、劉小明・交通運輸部副部長は同日、「2019 年末までに中国の高速鉄道営業総延長は 3 万 5,000 キロ、高速道路の総延長は 15 万キロで、何れも世界一になった」と発表した。(12/23 人民日報p2)

□このほど発表された「2020~2021 中国人工知恵計算力発展評価報告」によると、中国の人工知能(AI)インフラ施設市場の規模が 2020 年は前年比 26.8%増の 39 兆 3,000 億元に達する見込み。(12/25 経済日報p7)

□市場監督管理総局は、天猫、京東、唯品会の三社に対して不正な価格設定行為があったとして、価格法に基づき、行政指導を行ったことを発表した。これに先立ち、同局はアリババに対し、市場での独占行為があった疑いで、立件し調査していると発表していた。(12/30 市場監督管理総局 HP 他)

□12 月 27 日、民用航空局は、英国で新型コロナウイルスの変異種が拡大したことを受け、中英間の定期旅客便を 28 日から来年 1 月 10 日まで停止すると発表した。(12/27 民用航空局 HP)

□12 月 31 日、中国国家統計局等は景況感を示す 12 月の製造業購買担当者指数(PMI)が 51.9 ポイントだったと発表。前月からは 0.2 ポイント低下したものの、10 か月連続で景況判断の節目となる 50ポイントを上回った。続いて 1 月 4 日発表された財新の同月 PMI は 53.0 ポイントとなり、前月からは 1.9 ポイント低下した。(1/4 人民日報p2 他)

5.農業・農村

□12 月 28~29 日、中央農村工作会議が北京で開催された。習近平・国家主席が会議に出席し重要講話を行った。習主席は、「党は必ず、新たな発展段階において『三農』工作をしっかりと行う重要性、緊急性を十分認識し、『三農』問題をしっかり解決することを全党の工作の最重要事項とすることを堅持し、全党、全社会の力を挙げて農村振興を推進し、農業の質と効率の向上、住みやすく事業がしやすい農村、農民の富裕化を促していかなければならない」と強調した。(12/30 人民日報p1)

6.労働・社会保障

□12 月 18 日、人力資源社会保障部は「年金基金の投資範囲の調整に関する通知」を発行した。通知は企業年金や職業年金基金も対象とし、国内投資と香港市場投資に限定する等、投資範囲に関する事項を示した。(12/30 人社部 HP)

□12 月 31 日、国家薬品監督管理局は、製薬大手の中国医薬集団(シノファーム)傘下の北京生物製品研究所が開発した新型コロナウイルス感染症の不活化ワクチンを 30 日に承認したと発表した。中国当局が新型コロナワクチンを承認するのは初めて。(12/31 中央政府 HP)

□1 月 2 日、広東省疾病コントロールセンター(CDC)は、1 月 2 日、英国から輸入症例の咽頭スワブサンプルにB.1.1 .7 突然変異株を発見し、最近イギリスで報道された変異ウィルス遺伝子配列と高い類似性を有すると発表した。(1/3 広東省疾病予防コントロールセンター)

□1 月 1 日より、長江の「10 年禁漁」の全面的な開始を象徴する、長江本流と重要支流の水生生物自然保護区と水産種質資源保護区を除く天然水域において 10 年を暫定期間とする禁漁が実施された。沿岸一帯の推算によると、長江流域重点水域の禁漁は、沿岸 10 省・直轄市で許可証を持ち合法的に操業する漁船 11 万 3000 隻以上、漁師 28 万人弱を対象とする。中央政府は各地の禁漁を適度に支援する補助資金を計画し、漁師の転職を積極的に促す。 (1/2 新華日報他)

7.環境・エネルギー

□12 月 23 日、中国海洋石油集団(CNOOC)は 2020 年海洋石油・天然ガス生産量が石油換算で 6,500万トンを超え、過去最高を記録したと発表した。(12/24 経済日報p6)

□中国石油天然ガス集団によると、傘下の「長慶油田」の年間生産量(油・ガス)が 6,000 万 800 トンに上った。中国の石油工業の歴史において、初めて 6,000 万トン級の大型油田が誕生した。(12/28 人民日報p1)

□国家鉄道集団によると、同集団の石炭輸送量は 2020 年 12 月に大幅に増え、一般石炭、発電用石炭の貨車が何れも史上最高記録を更新した。データによると、12 月の1日当たりの鉄道輸送量は前年同期比 10%増の 560 万トン、貨車は同比 9.5%増の 8 万車両で、うち発電用石炭の 1 日平均の貨車量は前年同期比 9.9%増の 5 万 1,000 両だった。(1/4 人民日報p4)

□12 月 31 日、長江流域「10 年禁漁」の全面的開始活動が湖北省武漢市で開催された。胡春華・国務院副総理が出席し講話を行った。(12/31 中国政府網)

8.科学技術・イノベーション

□12 月 23 日、国有科学技術企業の改革への支援を行う基金「国改技術基金」が重慶市で発足した。資金の規模は 100 億元に上る。(12/24 経済日報p5)

9.主要国との経済関係

□李克強・国務院総理は 12 月 23 日、サンチェス・スペイン首相、ルッテ・オランダ首相とそれぞれ電話会談を行った。李総理は、サンチェス首相との会談で、「中国は、スペインとともに、多国間主義を維持し、貿易と投資の自由化や利便化を促進したい。より多くの高質なスペイン産の農産物の対中輸出を歓迎する。欧州が引き続き中国企業に公平、開放、無差別のビジネス環境を提供するよう希望する」と表明した。(12/24 人民日報p1)

□習近平・国家主席は 12 月 30 日、北京でメルケル・独首相、マクロン・仏大統領、ミシェル・欧州理事会議長、ライエン・EU 委員長とテレビ会議を行い、EU 投資協定交渉が予定通りに完了したことを共に宣言した。市場参入のルールの明文化、公平な競争に向けたルールの制定、持続可能な発展に向けた取り組み、争議解決システム確立の四つが柱となる。習主席は、今後の中国・欧州の協力関係について、主に以下の点を提案した。①感染症対策の連携。ワクチンが世界の公共財として公平に分配されることを確保し、特に途上国が裨益されるようにする。②経済復興を共に促進する。政策の意思疎通と協調を強化し、開放型世界経済の構築を堅持し、世界の産業チェーンとサプライチェーンの早期回復を促進する等(12/31 人民日報p1)

■12 月 30 日、外交部報道官は、2021 年の気候変動枠組条約第 15 回締約国会議(COP15)の議長国が制定予定である、ポスト 2020 年世界生物多様性枠組に対して、「『生物多様性衣条約』の確定する、生物の多様性の保全・生物多様性の構成要素の持続可能な利用・遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分という 3 つの目的についてバランスよく体現すべきである」等、三つの構想を示した。 (12/30 外交部)